○浦河町文化財保護条例
昭和55年7月1日
条例第18号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法及び北海道文化財保護条例(昭和30年条例第83号。以下「道条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で浦河町(以下「町」という。)の区域内に存するもののうち町にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、町民の郷土に対する認識を深めるとともに教育文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項各号に規定するもののうち、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物をいう。
(町民、所有者などの心得)
第3条 町民及び文化財の所有者並びにその他の関係者は、文化財が貴重な公共的財産であることを自覚し、これを公共のために保存するよう努めるとともに、文化的活用に協力しなければならない。
(財産権などの尊重及び他の公益との調整)
第4条 浦河町教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当つては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(文化財審議会)
第5条 委員会の諮問機関として、浦河町文化財審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の委員の定数は7人とし、学識経験者の中から委員会がこれを委嘱する。
3 委員の任期は2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(指定)
第6条 委員会は、町の区域内に所在する文化財のうち、国又は道が指定したものを除き、町にとつて文化的価値が高く重要なものを、町の指定文化財に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、委員会は、あらかじめ、指定しようとする文化財の所有者及び権限に基づく占有者(以下「占有者」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者又は占有者が判明しない場合を除く。
3 第1項の規定による指定をするには、委員会は、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該文化財の所有者及び占有者に通知しなければならない。
6 第1項の規定による指定をしたときは、委員会は、当該文化財の所有者及び占有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第7条 町指定文化財が町指定文化財としての価値を失つた場合その他特殊な事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
3 町指定文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財及び道条例第4条第1項の規定による文化財の指定があつたときは、町指定文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、委員会は、その旨を告示するとともに、町指定文化財の所有者及び占有者に通知しなければならない。
(所有者の管理義務)
第8条 町指定文化財の所有者は、この条例並びに施行規則及び委員会の指示に従い、町指定文化財を管理しなければならない。
(管理責任者)
第9条 町指定文化財(無形文化財を除く。)の所有者は、特別の事由があるときは、自己に代り、当該指定文化財の管理の責に任すべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
2 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速かにその旨を委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合と同様とする。
3 管理責任者には、前条の規定を準用する。
(所有者の変更など)
第10条 町指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速かにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 町指定文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速かに、その旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損など)
第11条 町指定文化財の全部又は一部が滅失、き損又はこれを亡失し、若しくは、盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合はその者)は、速かに、その旨を委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第12条 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合はその者)は、あらかじめその旨を委員会に届け出なければならない。
(現状の変更)
第13条 所有者が町指定文化財の現状を変更しようとするときは、あらかじめ委員会の許可を受けなければならない。ただし、修理その他維持に必要な措置(以下「修理など」という。)をする場合は、この限りではない。
2 委員会は、前項の許可をするときは、必要な指示を与え又は条件を付すことができる。
(管理又は修理などの補助)
第14条 町指定文化財の管理又は修理などにつき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合には町はその経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前条の補助金を交付する場合には、委員会はその補助の条件として管理又は修理などに関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理などについて指揮監督することができる。
(1) 管理又は修理などに関し条例又は施行規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかつたとき。
(管理又は修理などに関する勧告)
第16条 町指定文化財の管理が適当でないため町指定文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 町指定文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、委員会は所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理などのために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を町の負担とすることができる。
(公開)
第17条 委員会は、町指定文化財の所有者に対し、6カ月以内の期間を限つて、委員会の行う公開の用に供するため当該町指定文化財を出品することを勧告することができる。
2 前項により出品し、又は公開したことに起因して当該町指定文化財が滅失し、又はき損したときは、町は所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者の責に帰すべき事由によつて滅失し、又は、き損した場合は、この限りでない。
(調査)
第18条 委員会が必要があると認めるときは、町指定文化財の所有者又は管理責任者の同意を得て町指定文化財の現状又は管理、若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(有償譲渡の場合の返納金)
第19条 委員会が第14条の規定により補助金を交付した場合において、その補助を受けた町指定文化財の所有者、又はその相続人、受遺者、若しくは受財者が当該町指定文化財を他に有償で譲り渡したときは、町はその譲渡人に交付した補助金に相当する額の全部又は一部を町に返納させることができる。
(教育委員会への委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に委員会が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。