最低賃金に思う

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厚生労働省から今年度の最低賃金の改定額が公表された。一番高い東京都が1,163円、一番低い秋田県は951円である。その差は212円、一日8時間働いて1,696円、1か月22日間と仮置きして37,312円の差である。

都道府県ごとに最低賃金が違う歴史的経過や、社会的背景はそれなりに理解しているが、それにしてもである。国が違うのであれば致し方ないが、同じ日本で労働の対価に大きな差があることに違和感を覚える。

日本は世界の多くの国の最低賃金制度と比較して、二つの矛盾を抱えているのではないか。一つは働く場所によって賃金が違うこと、東京に住んで千葉県で働くと1,076円その逆だと1,163円。一日696円の差がある。もう一つは他の先進国と比較して最低賃金が安いことだ。労働力不足で外国人労働者に頼らざるを得ない場面も多いが、低賃金で日本が選ばれないことも予想される。

何よりも転出入、人の動きが最低賃金の低い地域から、高い地域に流出しているのではないか。統計的にはそう読み取れることが大きな政治的課題だと感じている。

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