一次産業の後継者不足に思う

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 浦河町沖で秋サケ漁が始まった。今年は全道的に来遊が少ない予想で困惑していたが、出だしはまずまずの漁模様で胸をなでおろしている。とは言っても全盛期の漁と比べたらはるかに少ない。漁業者の鮭増殖へのたゆまぬ努力を知っているだけに、なんとか資源回復してほしいと強く願っている。

 一方で、昨年不作だったこんぶ漁。今年は近年にない豊漁で浜によっては採取日が二十日を越したところもある。豊漁による値崩れが心配であるが、後継者がこんぶ漁が稼げる産業と実感できる価格であってほしい。

 魚やこんぶはもちろんのこと農産物や林産物も、後継者が暮らしていける価格であってほしい。そうでなければ、後継者が減少し政府が号令をかけている食料自給率の向上は、画餅となるであろう。

 「適正価格」が生産者や流通業者、消費者それぞれ違うことは承知している。しかし、生産がなければ流通も消費もできない。まずは生産者が再生産できて、一次産業に従事する人たちが、生活ができて希望が持てる価格であったほしいと願っている。そのことが食料自給率の向上の1丁目1番地ではないか。

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