2020年12月8日 負不動産体験中

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 全国的な人口減少が続くなか、大きな課題となっているのが価値のあまり無い不動産の相続の問題である。私事で恐縮だが我が家でも、40年以上前に死去した父名義の土地をそのままにしていた。亡き父の夢を思うと手放す気もなかった。しかし、その土地を売ってほしいと熱心に持ち掛けられたので手放すことにした。田舎の雑種地なので価格はただ同然である。

 相手から委任された事務所から売買に必要な書類を示されて驚いた。亡父の除籍謄本から亡母の除籍謄本、相続人全員の印鑑証明やら戸籍抄本、住民票その他もろもろに加えて登記費用。これでは赤字である。手間暇を考えると大赤字である。

 このことから、全国的に大きな問題となっている「負動産」問題。法律で縛るだけでは解決がおぼつかないであろうことを改めて実感した。浦河町内でも土地や建物で放置されている物件が散見されている。特に放置された空き家は役場はもちろんのこと、各自治会でも頭痛の種となっている。

 また、公共事業などで用地買収に入った場合、多数の相続人がいて追跡して売買の同意をもらうのに苦労することも多いと聞く。負動産に限らず日本の法制度は人口増大を基礎に構築されたものも多い。これからの人口減少時代の法制度の在り方の議論が、国を挙げて必要な時ではないか。

 我が家の売買は赤字になろうが約束だから実行しなければならないが、我が家はもちろん日本中が貧しかった時代に当時として安くない土地を購入した父の夢と、負動産が現実という地方の現在の立ち位置に思う。

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