【幼児期向け】心理士さんにインタビュー「家の外の刺激は子どもの新しい一面に出会える」

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子どもにもひとりひとり個性があり、一緒に遊んだり安心して過ごすためのコツはどんなお子さんにもあるものです。
安心して子育てができる関わり方について、浦河町の「こころと育ちの相談」に携わる臨床心理士・公認心理師の大内世思也さんにお話を伺いました。

うらかわエマオ診療所臨床心理士・公認心理師の大内さん

うらかわエマオ診療所:臨床心理士・公認心理師
大内 世思也さん

――いつもと違う環境に触れて、子どもの変化を楽しもう

生後から約2歳までは感覚運動期といって、いろいろなものを見たり触れることで感覚から刺激を受けて脳が発達するとても大事な時期です。家にいると毎日決まったおもちゃや生活環境の中で過ごしますが、外に出ることでたくさんの新しい刺激を受けることができます。

――子どもの新しい一面に出会える

一歩外に出てみると、家では自由気ままに過ごしている子どもも外では怖くて母親にくっついて離れなかったり、他の子を見て泣いたり、思わぬところに興味を示したり、消極的かと思ったら実は積極的な行動をしたりと、家で過ごしていると見えない子どもの新しい一面に出会えると思います。
私の子どももお風呂のたびに顔に水がかかるとすごく嫌がっていましたが、町の子育て講座のベビースイミングを利用した日の夜、一緒にお風呂に入ったら顔に水がかかっても笑っていました。子どもの変化にとても驚きましたね。

――たくさんのおもちゃに触れて自己肯定感を高める

町内には3ヵ所の子育て支援施設がありますが、私も親の立場としていつ行っても温かく迎え入れてくれる雰囲気を感じています。どこに行ってもいいし、親同士も自然とつながりができて、自由に遊びに行ける場所が複数あるのは子育て世代にとってとても良い環境だと思います。
おもちゃや遊具も充実しています。いろんなおもちゃにも触れて、自分で操作しておもちゃを動かしたりすることで小さな成功体験となり、初期の自己肯定感を高めることにもつながります。

シロフォン付玉の塔

ドイツの木製おもちゃ「シロフォン付玉の塔」。小さい玉を持って穴に入れて落とし、転がる玉の動きを目で追って、最後に美しい鉄琴の音が響きます。指で物をつまんでセットするという行為を子ども自ら行い、安心・安全な環境で試行錯誤(挑戦)できるおもちゃで遊ぶことで、精神的な安定感と成功体験が得られ、自己肯定感を高めることにつながります。

――迎え入れてくれる町の子育て支援施設

僕の中では子育ては掛け算だと思っていて、子どもの成長と親のリフレッシュ(休息・息抜き)のどちらも必要だと思っています。親に負担がかかって心がしんどいなって思っているときは、なかなか子育てに前向きになるのは難しいですよね。
簡単なことではないですが、子どものために「外に出かけなきゃ」とか、「こうしなきゃ」とかはあまり思わず、休めるときはしっかり休んでほしいと思います。
子育て中は不安や負担も大きいですが、対応するスタッフがそっと寄り添ってくれますので、「今日はちょっと行ってみようかな」という気軽な気持ちで利用してみてはどうでしょうか。

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